ブログなんかめんどくせえよ

低山ウルトラライト登山/トレッキング/ハイキング専門です。なので装備や道具[ギアグッズ]のレビューは偏っています。防災を兼ねたアウトドア系サバイバルグッズやデジタル関係、モバイルバッテリー・ミリタリー系も大好物です。最近はBluetooth中華イヤホンや防水スピーカーもです。PS4とXboxOneはFPS系が多いです。
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【レビュー】 HD650/massdrop 6XX ゼンハイザーのリファレンスヘッドホン 【現代の名機】


まとめ
■デジタルアンプで鳴らすべき
■現代の再生基準
■名機中の名機


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2003年に発売された「モニターヘッドホン」として純然たる地位を築いた現代のICONともいうべきヘッドホンがゼンハイザーのHD650となります。

もう既に発売以来10年以上が経過しました。こう言ったアナログの器機は急激に進化すると云うことがないのですが、それでも10年以上もの長きにわたりラインナップに君臨し続けるというのは至難の業となります。

そのごく限られたヘッドホンの1つがゼンハイザーのHD650です。

じつは僕はこのHD650を2006年あたりに一度購入しているのですが「音が退屈」という理由で3ヶ月ほどで手放しています。
この時の購入価格は覚えていませんが、当時は今ほどヘッドホンが盛り上がっていなかったのでトップクラスのハイエンドヘッドホンでも10万円位がハイエンドの価格帯でしたので、それから比較すると高価ではあっても価格は安めだったことは確かです。

今は人気が出たため、ヘッドホンの世界もドンドンとぼったくりが始まり今では10万円を超える製品は数多く出ていますが、当時を知っているものとしては愕然とする訳です。

美音で解像度優先ならSTAXがありました。最高峰の007でだいたい15万円程度となり静電型なので専用のドライバーが必要なのですが、とても美しい音でジャンルは選びますがいまでも007を超える滑らかな音は簡単には聞くことが出来ません。

ダイナミック型のドライバーを使用したヘッドホンとしてHD650は当時でも最高レベルの音質が確保されていた物です。
もちろん価格でHD650を超えるヘッドホンも幾つか出ていましたが、音を聞く限りでは、650を超えていたものはなかったと思います。

オーディオ機器というのは進化のスピードが大変に遅く、新型が旧モデルを必ず超えているわけではありません。
なので650を開発したゼンハイザー自身でもその後のHD800/700あたりでも「確実に超えた」とは言いがたい部分さえあると思います。

【6xxの購入動機】

10年ぶりでHD650を買い直したわけですが、これはまったくの勢いでした。

ぼくはヘッドホンにモニター系の音質を求めているわけではないので、帯域バランスが良いのは分かるのですが、音が眠いというのが絶えられず手放してしまいましたが、今回、プラチナガジェットの管理人さんから連絡がありmassdropでHD650が6xxという名称となりカラー違いで販売されるという事を聞きつけ、それならということで買い直した物です。

実質的に6xxは650と色違いの同一品だと判断しています。

650と6xxで高域側の特性が少し変化しているのですが、特性グラフを計測した状況が分からないためとほんのわずかな相違なので誤差の範囲と云う事でそれほど神経質になる必要はありません。

キャプチャ

【HD650の音質】

650を一言で言うのならその特徴は「フラットバランス」にあります。
DF補正というスピーカーで云う所の試聴位置で特性をフラットにした理想的な帯域バランスを持つ極めて優秀な性能のヘッドホンなのですが、むしろここが問題で、このおかげで「音がつまらない」という特徴があります。

ピュアの人間では常識的なことなのですが、特性上優れた性能を持つほど「音は退屈」になるというジレンマがあります。

特にこの650は高域が弱いので特に音が地味になりがちです。
世界的に見ても日本人は高域強めの音を好むという特徴があり、650のハイ下がり気味の傾向ではそのことを強く感じて当然です。

しかも、650は元々のエッジが非常にマイルドなので音のチューニングそのものが長時間リスニング向けとなっています。
このチューニングがどういうことをもたらすかと云われればアンプの選択により「音が眠い」という現象をもたらすことが多くなります。

特に真空管やアナログプリアンプの性質の良いものを通せば通すほどこの傾向が強くなることに注意が必要です。

そうなるとフラットバランスで退屈な音がして、ハイ下がりで音の粒立ちが弱いところに更に音のエッジが丸くなるということになり、人によってはヴェールがかかった音に感じたり音が眠かったり、更につまらない音に感じることが多くなります。

元々名機中の名機と言われるヘッドホンですが、プレイヤーやアンプをかなり選ぶと云う事で、鳴らすことが難しいヘッドホンだ云う事はいえますが、650に関しては基本的なキャラクターはエッジが柔らかく入り、帯域バランスの優秀さは群を抜く出来映えですが、高域はハイ下がり気味の音となります。

全体的なドライバーの傾向はほんのわずかにウォーム側傾いたニュートラル系ですが、音そのものは一級品です。

【650を巧く鳴らすために】

この650が出た当初は当然アンプはアナログ全盛期なので比較的眠くて退屈な音がしたのはある意味致し方ないのですが、特に650の価値に気がついて高級なアンプをおごった人ほど前評判とは違う音に驚いたかも知れません。

650の真価を発揮させるためには、このヘッドホンには「エッジが立ちまくって少し音の荒れたデジタルアンプ」をあてがう方が結果的には好ましい音がすると判断しています。

通常僕はヘッドホンにはデジタルアンプをつかうな、といっていますが、その理由は「音が荒れる」からです。
デジタルアンプの性質上、エッジが立ち気味になるので、よく作り込んだ背景の静かなデジタルアンプほど特にヘッドホンには向きません。

ですがこの650に関してだけは「積極的に音の荒れた鮮烈な解像度のデジタルアンプ」をつかえと、いっておきます。
エッジの柔らかな音を好む僕にとっては異例の意見なのですが、音を聞く限りではHD650にはもっとも尖鋭な音がするデジタルアンプの方があっています。

また、DACに関しては「響きの少ない」カチッとしたサウンドキャラクターのものと組み合わせるべきでしょう。

イコライザーを入れて調整する場合は高域を少し上げて調整するとより音の粒立ちが改善するので試してみる価値はあると思います。

【HD650/6xxのまとめ】

驚くべき事にこの650は送り出し機器がデジタルの時代になって「よりよく音が鳴る」という不思議な事になっています。

普通に考えるとデジタルがアナログを凌ぐのは結構面倒なのですが、この650に関してはデジタルを積極的に使う方が音の粒立ちが出てきて、なおかつエッジが立つので聞きやすくなります。

かつての名機ですが、いまでも特性的にはこのヘッドホンをしのぐものはほとんどありません。
アナログ系のアンプで疑問を感じていた方ほど、HD650はデジタル直結で音を聞きなおしていただきたいと僕は考えています。

今僕はDP-X1というCDとパワーアンプを直結したような音の荒れたデジタルアンプで6xxの音を聞いていますが、たとえばグラドのヘッドホンはエッジが立ちすぎて耳障りな音を出すので聞いていられないのですが、まったく驚くことにX1で650を聞くとエッジの立ち方がちょうど良く0なっているのです。

アナログで合わないアンプを聞いていたときのような「ベール」が消え、HD650の良い部分が引き出されてきます。

これは元々が長時間向けのチューニングでエッジが柔らかく優しい音がするという650のある意味良い部分を殺していることにもなるのですが、それでもこの650にはストレートでエッジの立ちまくったデジタルアンプをあてがう必要があると僕は感じています。

僕にとってはちょっとあり得ない結論なのですが、デジタルアンプがヘッドホンと相性が合う希有な例だといえるでしょう。

むしろ熟練のオーディオマニアほどデジタルを避ける傾向があるので、そういった方々は650とデジタルアンプを聞き直す必要が出てきています。

さすがの名機中の名機であるヘッドホンですので、これを持ってヘッドホンの旅を終わらせてもいいくらいだと感じています。
少なくとも平凡なヘッドホンを幾つ購入してもこの音を超えるのはそう簡単なことではないのは間違いないでしょう。

デジタル時代になってHD650にむしろ時代が追いついたというのは僕が感じていることになります。

こちらのヘッドホンは良いも悪いもなく、モニター系のヘッドホンとしては唯一無二の存在で、音の基準となるべき存在となります。

まさに現代のリファレンスにふさわしいヘッドホンの名機中の名機、それがHD650/ massdrop 6xxです。

参考記事
デジタルアンプでヘッドホンを聞いてはいけない デジタルプレイヤー/DAPの問題を書く  

参考サイト

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp






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BOSCH/ボッシュレーザー距離計[PLR15] をスピーカ設置に使う

まとめ
■精密機器はさすがに中華製は買えない
■室内距離測定なら無敵
■直射日光の下ではポインターが見えない
■スピーカーセッティングにおいてレーザーは劇的な効果の見込めるものではない



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ボッシュのレーザー距離計です。

もちろんレーザ測距で距離を測るものですが、この手のレーザー距離計は中華な製品よりも、やはり定評あるメーカー製の方が信頼感はかなり上だと思います。

実はだいぶ前に中華製のレーザー付き音波距離計というもの手に入れてみたのですが、これがいきなりの初期不良で交換したものの、正常な品がやってきてもエラーを吐きまくるのですが、何のことはなく対象物が少しでも傾いているとエラーで測距することが出来ないのでした。

例えばカーテンのドレープ部分に向かって計測を開始したり、傾斜天井に向かって計測したりしても、出てくるのはデタラメな値だけです。

きちんと対象と正対させて近距離なら使えることは使えるのですが、これなら倍の価格を出しても有名メーカー品を買うべきだというのが中華製音波距離計に対する僕の結論です。
もちろん中華製のレーザーもある事はあり、5000円程度で60メートル測距と長いのですが、基本的にあまり積極的に手を出すような代物ではないと判断致しました。

僕は基本的には「室内使用」を主にするつもりなので、BOSCHのPLR15の測定距離である15メートルもあればもう十分と言えるからです。

さて、今回のレーザー距離計の使い道ですが、普通の方は当然のことながら部屋の寸法を測ったり天井高を調べたりするのでしょうが、僕の場合はそういった用途にも使いますが、基本的には「スピーカーのセッティング」の為に手に入れた物です。

こういう用途ですとレーザー距離計は、一石二鳥で、距離も測れるしレーザーポインター代わりにも使えるととても便利なのです。

元々昔からスピーカーセッティングのためにこう言ったレーザー機器は使われていますが、最近では特に買いやすくなっているので、良い時代になったものだと思います。

ちょっと思い立ってこう言ったものを紹介しようと思ったのは、年末年始に久しぶりにスピーカーをじっくりと聞こうとメインとサブの真空管に火を入れたのでした。
ここのところイヤホンやらヘッドホン、Bluetoothスピーカの音ばかりでそれはそれで十分に満足してしまっていましたが、改めて聞くスピーカの音はやはり次元が違う音で我ながらビックリしたのでした。

やはりスピーカでしか聞けない音があることを再確認した次第です。

そこで少しずつ移動してしまったスピーカー系を一気に再セッティングしてしまおうと思い立ったわけです。

具体的にどういった使い方をしているのかというと、僕はピュアもAV/オーディオビジュアル8.1CHもやっていますのでリスニングポイントにキチンとスピーカーの距離と位置を合わせるために使います。

現在のAVアンプの場合は自動の音場測定機能が付いているのでほとんど必要ないといえば必要ないのですが、距離は音波測定でかなり精度良く計れるのですが、スピーカーのリスニングポイントへの位置合わせは出来ないので、やはりこういったレーザーポインターは必須となります。

レーザー距離計を単純にスピーカー上部中央に貼り付けてしまい、リスニングポイントの耳の位置かもしくは60センチ程度高くしたあたりに置いた三脚にターゲットの紙を貼ってその一点に全てのスピーカを合わせます。
この時当然ですが、左右のスピーカーのリスニングポイントまでの距離も合わせてしまいます。

もちろん、専用の部屋でもなければキチンとITU配置に出来ることの方がまれなのですが、それでもできる限り精密にスピーカーの角度と高さと距離をきっちり合わせておくのが基本です。

これを行っておくと音の定位が明確になると云うメリットが生まれますが、実際のところ効果が確実にあるかどうかはなんともいえません。
スピーカーや部屋によってリスニングポイント手前で交点を合わせたり、奥で合わせたり、スピーカー間の距離を縮めたり広げたりと試行錯誤かかなり必要です。

僕の場合はピュアのメインシステムでレーザーセッティングを行っても今のところ明確な効果は出ません。
こうなると奥や手前で交点を合わせ直したりとドンドン泥沼に嵌まっていきます。

ですが、レーザーポインタがなく目視だとほとんど合わせるのは不可能なので、気休めとしてもひとつ持っておくとおもしろいアイテムだと思っています。



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【レーザー距離計PLR15の実感】

さすがにBOSHの製品なので信頼感が高いです。
距離は15メートルですが、室内なら無敵の距離計測です。
豪邸でもなければ室内で15メートルを測る機会はそれほど多くないと思います。

レーザーの飛びですが、夜間に確認したところ軽く100メートル以上は飛んでいるようです。
レーザーポインターの認識は夜間や日陰ならまったく問題なく、日中の直射下はほとんど見えません。

なので晴天昼間に屋外での使用はいろいろと工夫しないととても厳しいと感じます。

肝心の精度もメジャーで確認したところほぼ同じ値なのでこちらも問題なし。

基本的にレーザー距離計は計測距離と価格が=になっているところがあるので、安い物は計測距離が短いのですが、屋外で仕事でも使うのでもない限り一般人が100メートル近い計測を行う事は少ないと思いますし、傾斜計も必要かといえば必要ではないので、15メートル計測のこのモデルは信頼性と性能の安定度、使用の簡単さでとてもオススメ出来ます。

一度手に入れてみると分かりますが、何かと便利でよく使うというのもポイントが高いです。
メジャーで3メートルほどを計るのは嫌になりますが、レーザー距離計では一発計測です。



15メートルタイプ。



安いが音波式なので基本的に買ってはいけない。

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【レビュー】ヤマハ YST-SW010スーパーウーファー/小型サブウーファーを購入する


まとめ
■日本の住宅事情では十分に使える
■コンパクト
■重低音の質は、価格なりだが、音楽の様相は一変する
■超低音は出ない
■音楽用では無い



映画用のスーパーウーファーを買い換えました。
実は、映画用のシステムに関してはヤマハの歴代のスーパーウーファーを使用してきていますので、もうかれこれ15年くらい使い続けているかと思います。

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たぶんこれでスーパーウーファーは4台目くらいになると思いますが、おそらく使用歴の中では、今回、最もコンパクトなスーパーウーファーに買い換えました。

なにしろYST-SW800という総重量24キロのウーファーから、エントリークラスに買い換えると云う事なので、かなり迷いが生じましたが、ここ最近はスーパーウーファーの使用頻度が少なくなっていましたので、思い切って一番小さなエントリークラスのものにしてしまうことにしたのでした。

ただ、普通はあまりそう行ったことはせず、小型の物から大型のシステムに順次買い換えていくのが順当な道筋だとも思うのですが、SW800はリビングに設置して置くにしてもあまりにも筐体が大きく、その抜群の存在感がかなり邪魔になってきたことと、自宅の事情を考えると適正音量以下でしか使用できなかったので、それならば音量に見合ったよりコンパクトな物で十分だろうと考えたのでした。

今回の買い換えを検討し始めてから、映画を見る時もスーパーウーファーを切って試聴することで、ウーファーのありなしを十分に見極めた上で、自宅のシステム上であるならば、どんなに小さくても重低音の補強はやはり必要だろうと云う事を確認して購入しました。

もともと重低音というのは、「鳴っているか、鳴っていないのか」がほぼ判別できないくらいのレベルに調整して使用する物なので、ドンドンと鳴り渡っているのは単なる調整ミスと云う事になります。
ウーファーありとなしでは音楽を聴くとよく分かりますが、中域から高域まですべての音が全域にわたって改善するので、縁の下の力持ち的な要素が極めて強く、音楽全体の輪郭はしっかりとしてきます。

よく云われますが、重低音は家の土台のような物なので、土台がしっかりしたところに家を建てると基礎のしっかりとした家が建ちます。

なのでどんなシステムでも無いよりはあった方が良いというわけです。

特に、小型スピーカーを使用している方は元々それだけのパワーが無いのでスーパーウーファーを入れるしか音楽の土台をしっかりとさせる方法はありません。
ただし音が綺麗につながるかどうかはまた別の問題で、これは非常に難しくそこまで凝り出すと数十万クラスの出費を強いられることになりますが、そこまでするくらいなら大型スピーカを買ってしまうべきです。

重低音はこだわり出すといくらでもお金が飛んで行ってしまう世界なので、妥協が大事です。

特に質にこだわると大変なことになり、ハイエンドクラスのスピーカーを一度聞きに行くと分かりますが、次元の違う弾むような低音がかなり下の方まで響くので、聞けば逆にあきらめがつくかも知れません。

今回は上位機種からエントリークラスの物に買い換えたので、部屋はすっきりしました。これが一番満足したことかも知れませんが、いくつかの便利な機能は無くなりました。

■ハイカットフィルターがなくなった
■ボリュームなども背面に回ったので、操作がしづらくなった
■位相切り替えスイッチもなくなった
■オートスタンバイもなくなった【これが一番不便】


音的には、当たり前ですが質も量もおちました。
これはもう比較にならないくらい落ちました。

結論ですが、これは音楽用では無いです。

音楽に使用するつもりなら最低でもハイカットフィルターが無いと調整で追い込めません。
ちなみに、このSW010のハイカットフィルターは、130Hz固定ですので、アンプ側で指定しないと、結構上の周波数から音が出てしまい、メインスピーカーと自然につながらなくなります。

ハイカットは、どううまく調整しても多少はクロスオーバーしてしまいますが、被る周波数帯は最小限にとどめるべきで、AVアンプなら基本的にはメインスピーカから低域成分をどういう風に出力するのか選択したり、どこでカットするかも自由に選択できますが、音楽用のアンプの場合は普通は出来ません。
チャンネルディバイダーなどで明示的に切り出す必要がありますが、普通の人はそんな物を持っていないでしょう。

もしSW010を音楽用途に使用して、キチンと調整しようとするつもりならば、チャンネルディバイダーは必須になってきます。

ですが、セットで購入する手間を考えると素直に上位機種を選んだ方が早いし、楽です。

ちなみに、ヤマハのサブウーファーでハイカットフィルターがついているのは。SWシリーズでは、このワンクラス上の製品であるSW200から上のプロダクトと云うことになります。
ですので、音楽をメインに考えているのなら、SW200以上のシリーズから選んだ方が、後々活用範囲は広がると思います。

ただ、映画用ならAVアンプ側でハイカット周波数を調整できるので全く問題ありません。

ボリュームが背面に回った件については、正直に言えばどうでもいいことです。
普通、スーパーウーファーのボリュームは一度調整してしまえば、ほとんどいじくることはありません。
もし、ソースによって頻繁にボリュームをいじることがあれば、それは根本的にスーパーウーファーの音量調整が間違っています。

SW010の低音の質に関してですが、低域成分が出ているなと言う感じで、とても質がいいと言えるような音質ではありません。
更に問題なのは、人間の可聴帯域の限界と言われる20hz付近の音は出すことが出来ません。

SW010の帯域は、130hz-30hzなので、楽器の低音は全てカバーできますが、いわゆる「超低音」といわれる領域はカバーできませんので、音と言うよりも「体に感じる」系統の音が出せないと考えてください。
なので、いわゆる「超低音が出せるサブウーファー」ではありません。

少なくとも低音の質と量はウーファーの場合、単純にスピーカーの大きさに比例してきます。
ウーファーは逆起電流を受け止めることの出来るよいアンプと直径の大きなウーファーが必要で、このあたりはある程度までは価格イコールのところがあるので、あまり大きな期待をしない方が良いと思います。

ざっくりですが、20hz付近をめざすのなら最低でも20センチ-25センチの直径をもつスピーカーでなければ困難でしょう。
欲を言えば30センチ以上は欲しいところですが、こうなると以前のウーファーであるSW800と同じように「巨大な」箱になってきます。

なので小さくて安くて素晴らしい物など存在しません。

しかしながら、小さいスピーカーであれば反応がよいので、いわゆる「スピードの速い」低音になります。対して大きなスピーカーは往々にして「音のスピード感」が落ちます。

こういった価格の安いウーファーは、映画を見る用途で、とにかくメインスピーカから出ない低域成分を改善もしくは補完するという目的で購入するべき物です。

このSW010はそういった目的なら、十分に使えます。

むしろ、今回はSW800という上位機種から落としても映画を見るという目的なら十分によい選択だったと思います。
コストパフォーマンスは最高に近く、なによりも家の中がコンパクトな筐体ですっきりしたのが嬉しいです。
[といっても四畳半や六畳間ではそれでも邪魔なくらい大きいと思いますが]

低音の質と量は落ちましたが、もともとほとんど使えない環境でしたので、これでちょうどいいくらいかと思います。
ただ、オートスタンバイが無いのはかなり痛手ですが、この価格なので致し方の無いことでしょう。

音楽を聴くという目的なら正直なくてもいいかなと思いますが、映画などの5.1CH環境ならとりあえず買っておいても後悔することは少ないです。中型のトールボーイクラスでもはっきりと下が強化されていることは分かります。

映画用でコンパクトな物を探している方はずばり買いです。
と云うよりも、ここまでコンパクトで安価なスーパーウーファーは他に選択肢がほとんどありません。

この製品は、日本の住宅事情にあっている製品だと思います。
僕の環境もそうですが、実際はよほど恵まれた場所でなければ、20-30hzの「ズーン」という体に響く重低音は出せませんので、そういう音が気兼ねせずに出せる環境にお住まいの方は、もっとよいスーパーウーファーを選択するべきだと思います。

僕のような割り切った使用用途なら、満足度はかなり高いですね。








ヘッドホンでは一定水準以上の音を聞くことはできない

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ヘッドホンで音楽を聴いていると、ふと思うのです。 たぶんコレでは「音の基準」をというものを自分の中に持つのはたぶん難しいのではないかと。

音の基準というか、僕が思うに「一定の水準以上の音」を奏でることは無理ではないかと思います。 特に最近、ポータブル機器がスタンダードになり、気軽に音楽を楽しめるようになってきた事と比例して、イヤホンやヘッドホンで音楽を楽しむ人が増えてきました。

でも、僕が聴く限りイヤホンは論外ですし、ヘッドホンでもスピーカーが奏でる「一定水準以上の音」を出すヘッドホンには出会ったことがありません。

確かにヘッドホンは個性豊かで、部屋による影響を排除した音を聞くことはできます。 しかし、それだけと云えばそれだけです。 バランスの崩れた音や、籠もった音はもちろん論外としてもハイエンドヘッドホンが奏でる音といえども、スピーカーから出てくる水準の高い音にはまったく適わないのです。

ですので、僕も以前はヘッドホンの旅を繰り返しましたが、結局、諦めてしまいました。 ヘッドホンのレベルでの素晴らしい音とスピーカが奏でる素晴らしい音とはまったくもって違う事に気がついたからでした。

ヘッドホンはその音の個性を、キャラクターの違いを楽しむべきものであり、根本的にたどり着く場所が違うからです。

これはたぶんいまヘッドホンで良い音を探し求めている多くの人は、何を言っているのか分からないことだとは思いますが、いわゆるピュアオーディオで長く苦労してきたことのある人なら、だいたい何を言わんとしているのか分かっていただけるのではないかと思います。

ヘッドホンを聴きまくり、その違いを熟知しても、決してたどり着くことができない場所があるのです。

例えば僕は、GRADOとSTAXでヘッドホンを楽しんでいますが、どちらも素晴らしい個性を持った機種で、そういう意味では不満はありません。 STAXの美音や解像度の高さに驚くことも多いですし、GRADOの楽しさに音楽を聴くということを再認識させられることも多いです。

ですが、スピーカーでという所の「一定の水準を超えた音」は決してそこからは出てきませんし、おそらく永久に出てくることもないと確信しています。

そう、これは本当にヘッドホンとスピーカーがまるで目指していくところが違うからなのです。

昔は、ピュアの世界ではヘッドホンは日陰者で、悪く云えば蔑まれていた世界でした。 それが時代の流れで脚光を浴び、素晴らしいスピードで進化を重ねていますが、残念ながらある水準を完全に超えた機器とスピーカーが解き放つ一連の音には、決してたどり着かないのです。
そしてこのことは、ヘッドホンでのみ音の水準を追求する人々が、そんな世界があることすら知らない未知の音の世界なのです。

ですので、いつの日か、ピュアの音の世界に来て、長い間苦しみ悩み、呻吟しながら様々なスピーカの音を聞いて、ある日、オーディオ屋の一角で聴く醜悪なスピーカの音に我慢がならなくなることがあれば、それは次のレベルの音を求める準備ができたと云うことです。

それを繰り返すと、音の好みや個性を超えて、「一定の水準以上の音」とは何か、気がつくときが来ます。 低音がどうとか、高音がなんだとか、中域に質感があるとか、そんなことではなくて、そもそも水準以上なのか以下なのかがスピーカや機器を選ぶ上で絶対的に譲れない事であることが理解できるようになります。

そもそも水準以下の機械からは絶対にあるレベルを超えた音が出てくることはありません。

今はまだ、この文章が何を言っているのかほとんどの人は分からないと思いますが、それでも構いません。
ですが、できれば心の片隅にでも覚えておいていただければ、ピュアの世界に来たごくわずかな人が、旅のその先で、こんな事をいっていた人が居たなと、思い出してもらえれば幸いです。

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp









僕のオーディオバイブルとしてのこの1冊

僕は、オーディオ関係の本を、ほとんど読んだことがありません。
たぶん、2冊くらいだと思います。

そのうちの1冊を、オーディオのバイブルとして手元に置いてあります。基本的に、本を保管しておく場所が限られているので、もったいないですが、読み終わった本はすべて捨ててしまいます。
もし数年後に、再度読みたい本があれば、買い直します。
そして、二度、購入した本は捨てません。それは僕にとって、本当に必要な本だと思うからです。

これから紹介するオーディオの本は、一度読み、僕のオーディオのバイブルとなりました。今でも、本棚に収納してありますし、これからもあり続けるだろうと思います。

五味康宏著
オーディオ巡礼
ステレオサウンド社




オーディオの音の高みを目指している方ならば、一度は、目を通していただきたい。
もちろん、ここに書かれている機器の大半は、既に、手に入れることが困難な古い名器ばかりです。
有名なタンノイ・オートグラフやデコラ、パラゴンなど、僕も一度も聞いたことのないスピーカばかりです。
アンプのほとんどは真空管のお話ですが、そんなことはどうでも良くて、ここに書かれているのは「オーディオの本質」そのものだと思うのです。

特に、五味先生が、長い間の苦闘の末、遂にタンノイオートグラフにたどり着く様は、まさにオーディオの巡礼者が聖地へと至ったかのようです。

少し高い本ですが、ぜひ、一読を。 



五味康祐オーディオ巡礼 (SS選書)五味康祐オーディオ巡礼 (SS選書)
(2009/01/01)
五味 康祐

商品詳細を見る

スピーカ ヘッドホン チェックその1




最も簡単かつ重要な、スピーカのサ行チェックです。
 
オーディオを嗜む方なら、たいていはチェックの一曲を持っている物ですが、今回は、僕のチェック曲をさらさせていただきます。
 
このチェックは、人の声の帯域に関わる2-4kh付近の妙なピークを調査するためのものです。
これはスピーカでもヘッドホンでも有効で、購入時には必ずチェックしなければなりません。
このチェックに合格しないものは、例え音質がとても気に入ったとしても、購入することは控えた方が良いです。
というのも、この問題を持つ製品は、構造的に設計ミスだと思うからです。
アンプを替えても、この問題はなくなりません。

サ行とは、いわゆる「さしすせそ」の音です。
歌などでこのサ行を注目して聞くと、スピーカによっては「しゃしぃしゅしぇしょ」と聞こえるものがあります。
このようにサ行がはっきりと聞こえずに、耳障りに聞こえるスピーカは欠陥品です。
そして、このように聞こえる製品は、驚くことに少なくありません。

サ行のチェックディスクですが、僕は次のものを使用しています。

ピチカート・ファイヴ

SWEET SOUL REVUE[曲名]


この曲の凄いところは、設計の悪いスピーカやヘッドホンで聴くと、サ行がとても痛くなり、一聴しただけで問題点を露わにしてしまいます。
逆に問題のないシステムでは、きちんと「さしすせそ」と聞こえます。

所有しているスピーカやヘッドホンで、このサ行チェックを問題なく通過しない場合、残念ながらそのスピーカなり、ヘッドホンは手放した方が速いです。
いろいろなソースを聞き込めば聞き込むほど、不満が出てくるはずです。
特にこの「サ行問題」は、主に人の声の帯域にかかってくるので、おろそかには出来ません。

僕も以前は、購入前の試聴で問題があっても気に入ると構わずに購入してしまっていましたが、だいたいそういう機器は、程なくして手放す事になりました。長く聞き込むことに耐えられないのです。
 
と云うわけで、本当は、既に所有している物に対してチェックするよりも、購入時のチェックに使うのが一番いいのですが・・・・

出来ればスマホなどに、オリジナルをWAVなどで可逆圧縮された曲を一曲入れておくと、ヘッドホンやイヤホン選びには絶大な威力を発揮します。
ぜひ、オススメします。


オーディオケーブルのチェック方法

以前にも書きましたが、僕はオーディオケーブルで「音が変わる」などとは思っていません。
どうチェックしても、音は変わらないからです。

ただし、ケーブルによってノイズがずいぶん違うことは事実であり、これはすべてのシステムとは言いませんが、現代の技術で作られた製品ならたいていは分かることだと思います。

そのチェックと、試聴用ディスクについて書いておきます。これは有名なチェックディスクなので、お持ちでない方は手に入れておいて損はありません。




Jacinta[アーティスト]
Here’s To Ben A Vocal Tribute to Ben Webster[アルバム]
Danny Boy[曲名]

1.10秒あたりで、ジャシンタがゴクリとツバを飲み込みます。
この音をいかに明晰でリアルに聞き取れるか?

2.34秒あたりでも、バックバンドのギタリストがタイミングを誤ってピックが弦に触れてしまいます。そのわずかな音を聞いてみてください。

最初に断っておきますが、ここ10年ほどで作られた半導体機器なら、この音が聞こえないと言うことはまずないはずです。
どんな機器でも、例えそれがポーダブルのipodでも聞こえるはずです。
真空管のプリアンプなら、この音を聞き取るのは至難の業です。ノイズに埋もれて、ほとんど聞き取れないでしょう。これを聞くためにはまず、真空管をとっかえひっかえして、ノイズを選別する必要があります。それでも、真空管プリアンプでこの音を明晰に聞き取るのは困難を極めます。

半導体アンプで、この音が明晰に聞き取れない場合、まずもって問題の根源はプリアンプかケーブルにあるはずですが、たいていの場合、ケーブルが怪しいです。
特にノイズレスの静かなケーブルを使用している場合、こういった微小な音も一緒に消されてしまいます。
[詳しくは、このブログのオーディオケーブルで音は変わるか?のトピックを読んでみてください]

ですので、半導体アンプの場合、システムのすべてのRCAケーブルをとっかえひっかえしてチェックする必要があります。
ですが、その前に、ケーブル自体のノイズをチェックしなければなりません。

その方法は、システムをよく暖めた状態で、システム1カ所のケーブルを交換します。
その状態で、音楽は流さずに[CDは止めたまま]ボリュームを最大にします。
そのとき、スピーカからはサーというホワイトノイズが流れているはずです。
この音量を測定します。
といっても測定器などなくても、ケーブルによってこの音量が驚くほど違ったりするので、すぐに分かったりもします。微妙な違いの場合は、三脚などを用意して、iphoneなどであれば、VUメーターなどの騒音測定アプリを用意します。これを三脚に固定して、出来るだけスピーカに近づけて騒音レベルを測定すれば良いです。
簡易的ですが、これでも十分に分かります。
このテストは暗騒音が出来るだけ小さいときに行った方が良いので、深夜などの周囲が静かなときに実施するのが好ましいと思います。
これを1本1本繰り返していき、ケーブル固有のノイズを把握します。

そのあとに、ノイズの小さいなケーブルから順番にチェックデスクを流して、繰り返しテストして音を聞き込んでいきます。1.10秒の音などが出来るだけ明晰にリアルに聞き込めるケーブルが良いケーブルです。

ただし、システム自体のノイズフロアが高い場合は、このテストではケーブルのノイズは分かりませんので注意してください。
つまり、ケーブルのノイズよりもシステムのノイズの方が高い場合、当然のことながら、ケーブルノイズはシステムノイズに埋もれてしまい、いつ測定しても同じ値しか指し示しません。
その場合、システム自体を見直す必要があります。

システムのノイズフロアが高いほとんどの場合、原因はより上流で使われている粗悪なケーブルかプリアンプだと思われますが、断言はできません。原因を一つずつ消して行くしかありません。
僕のシステムでは、パワーアンプから、ノイズが出ていたこともありました。
まれに古いDACを使っている場合、それが原因のこともありますが、可能性としては低いです。

一度、ご自分のシステムを総チェックしてみられることをオススメします。
ケーブルが値段や評判などではなく、対ノイズ性能に左右されることを身をもって知ることが出来ますし、システムの弱点を探り出す良い機会でもあると思います。


追記
チェックディスクの音量は、普段聞く音量で試してください。
音量を、大きくすればな聞きやすくなりますが、それが目的ではありません。
普段の音量で明晰に聞き取れる環境を作る事に、意味があります



Here's to BenHere's to Ben
(1999/06/08)
Jacintha

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SANSUIのプリメインアンプの思い出

つい9年ほど前まで、サンスイのプリメインアンプを使っていました。今のように真空管にシステムを変えてしまう以前の話です。
確か最後のサンスイは、α707XRだっと思います。

僕がまだ社会人に成り立てで、オーディオに目覚めた頃に、中古でサンスイの907XRを手に入れたことを懐かしく思い返します。
何年も楽しみました。
僕の原点の音でもあるからです。当時は確か、この907XRにオンキョーのトールボーイスピーカを組み合わせて聞いていました。いい音でしたね。中古で10数万だったと思いますが、これを買うのも大変でした。
でも、あの頃の満足感は、本物でした。
何せ、サンスイのプリメインアンプの真面目な物量投入は素晴らしく、外観の仕上げ、ウォールナットの木目の美しい側面、持てばずっしりと重いあの質感。すべてが、きらきらとしていました。

今、あの音がどうだったとか、もう思い出せません。
それに、当時は、比較する程の経験もなかったですから。
また、そんな野暮なことを言うべきではありませんね。サンスイがくれた身震いするほどの音楽の思いでは、決して色あせたりしませんから。

サンスイを手放したのは、大型スピーカに移行していく過程で、駆動力が足りなくなったからです。
スピーカは目指す音を追い求めて、どんどん大型になり、アンプはセパレートになりました。

でも、あの頃の感動的な音より今が良くなったかと言えば、水準という意味では、間違いなくレベルは上がったと思います。
でも、やはり、時々、思い出すのです。

サンスイにはいい思い出しかないですね。

今でも、サンスイの音を思い出すと、中古でも欲しくなります。
僕の、思い出が詰まっているのです。
もうメンテナンスが難しく、中古でも程度のいい玉は少ないかもしれません。
新品でならデノンのプリメインアンプも素晴らしいので、半導体アンプなら、そちらにも食指は動きますが、それでも、サンスイは僕にとって特別なアンプなので、やはりサンスイでなければダメなんです。

サンスイというのは、あの頃を共にしてきた世代にとって、きっと思い出の多くの中に存在している孤高のアンプだと思うのです。


Linnの音

その昔、Fullシステムで構成されたLinnの音を聞いたことがあります。
総額では、1000万を軽く超えていたと思います。スピーカも含めて、正にすべてLinnでした。
銀座の高級なお店でしたが、試聴品の出物があったので、出かけたのでした。

Linnのイメージとして、当時、CD12が当代最強のCD機としての地位を確立していましたし、レコードプレイヤーのLP12も著名でしたので、プレイヤーメーカーとしての認識しかありませんでした。
もちろん、各種様々な機器を開発、販売していたのは知っていましたが、スピーカまで手を出したのを知って、どうなんだろうと思っていました。
Linnというブランドに対するイメージは、アンプなどから想像すると、電源部に非常に不安を感じる製品を作っていたからです。自社独自の技術を導入したスイッチング電源と言えば聞こえはいいですが、魑魅魍魎が跋扈するオーディオの世界では、それを額面通りに受け取れるはずもありません。
デジタル電源の、いわゆるD級アンプ、いままで2種類ほど所有しましたが、低音がかなり独特で音楽全体のバランスや印象がかなり変わってしまう事を避けることが出来ず、使いこなしの難易度が高く、製品によっては電源部から発するノイズの問題を抱えていました。

その為、Linnのアンプの「極めてクリーンな電源部」というような説明では根本的に納得できません。
あの薄型筐体に詰め込んだ電源で、大型スピーカをドライブできるわけがないからです。

お店に入ると、「今Linnのフルシステムの音が聞けますが、少し聞いていきませんか?」と声をかけられました。
迷うこともなく、次にこのようなシステムの音を聞ける機会などそうそうないのは分かっていましたので、渡りに船とばかりに「お願いします」と、返答していました。

場所柄で狭い試聴室ですが、この方が一般家庭に近く、好ましい試聴室です。
いつものようにボリュウムを絞ってもらい、最初の一音を聞いた瞬間に、思いました。

線が細く、神経質な音です。

一曲だけで席を立ちましたが、やはりLinnのアンプは電源部に問題を抱えていました。ドライブ能力がないに等しいのです。
個別に見れば、たぶんスピーカもたいした性能ではないと思います。
いくら何でもあんな音を出してしまうのは、アンプだけの問題とはとても思えないからです。

あまりにも速く試聴を辞めてしまったので、店の人が心配して、「いかがでしたか?」と声をかけてきましたが、僕は「神経質な音ですね」と返すのが精一杯でした。
「ああ、好みには合いませんでしたか」と受けられましたが、とてもとても好みの問題などではなく、「一定の水準」にすら遠く及ばない音でした。

帰りがけにも、嫌な思いをしました。
エレベータまでの送りがてら、スタッフは、僕に声をかけたシステムについての話がただ一言。
「CDプレイヤーは何をお使いですか?」
という質問のみでした。
これは、相手の経済力を計るには好都合な質問です。
プレイヤーなど音の本質には大して重要なファクターではありません。(アナログプレイヤーなら話は別ですが)
その人の音の好みが知りたければ、普通は、使用しているスピーカを聞けば済むことです。音色を知りたければ、パワーアンプを聞けば事足りるのです。

お金に余裕があるかどうか知りたければ、CDプレイヤーを聞きます。
音の変化の少ない一番無駄な(効率の悪い)投資先だからです。

このお店は、まず真っ先に「人のお財布の中身」を聞いてきました。

銀座に店を構える高級店は、さすがだなとある意味感心しました。
フルLinnで奏でるあの音といい、この質問といい、このショップは音の導き手としては失格です。
二度と行くことはないでしょう。

オーディオ専門店というのは、限られたお金持ち相手のみを商売相手として考えているようなショップもあります。そういったお店は、超高級システムを置き、高飛車な商売をしているのが多いように見受けられます。
今に始まったことではありませんが、こういうお店とおつきあいしても、本当にいい音には巡り会えないような気がします。 

僕の愛するヘッドホン grado RS-1 stax 007

グラドの音を10年以上前に秋葉原の店舗で初めて聞きました。
ヘッドホンに興味がなかったのですが、もともとSTAXの007の音を聞いてみたくて、訪れたのでした。
007は聞きしに勝るすばらしさで、その音の滑らかで繊細なことと言ったら、それはもうスピーカでは聞くことが難しいレベルの音でした。
 
ハイエンドのスピーカは音が聞きたくて聴きたくて試聴にはよく行きましたが、自分で購入することは難しいので、その音を聞いては憧れを持ち続けていました。
ですが、ヘッドホンなら無理をすればいわゆるハイエンドに手が届くので、後になんとかSTAX007を手に入れ、それは今でも大事にしています。僕にとって、個人的には STAXのヘッドホンは別格だと思っています。
 


ヘッドホンというのは、聴いてみると周囲の環境に反響音の影響を受けないだけで、ドライバーの個性がとても大きく、総じてかなり個性的な音になりがちです。
 
そのSTAXの試聴の時に、無数に壁に掛けてあるヘッドホンの中から無造作に手に取ったのが当時のグラドSR325でした。
音は・・・・STAXには音質では全く適いもしません。あらゆる面で格下でした。
でも、そこから出てくる音楽は、少しドンシャリ、でもとてもノリが良く、非常に楽しい音だったのです。
いつの間にやら音楽ではなく、音ばかりを聞いていた僕にとっては、ある意味衝撃的な音でした。
不思議な体験、グラドの音はとても軽く、軽すぎるくらいです。でも、よくよく聴くと解像度もあり、低音も比較的出ているのです。
例えて音質を言うなら、うまくいえませんが、一般的なスピーカが地デジのテレビの音なら、グラドはまるでラジオのようでした。でも何故か心に響くのです。
 
それから一年ほどして、やはりグラドを聴きたいという思いが勝り、SR325を購入しました。
購入後、ずいぶん楽しみました。SR325は高音が特に特徴的で、とても金属的な高音が響くのでとても楽しかったのです。
STAXのようにドライバーに火を点火して、よし聴くぞと形式張る必要もなく、単にプレイヤーに差し込むだけでノリの良い音楽が聴けて、それが唯一無二の音を奏でるのです。
難しいことは抜きにして、これは音楽と向き合えるたぐいまれなヘッドホンだと思いました。

それからは時間をかけて、お決まりのコースを辿りました。
SR325からRS1へ。その後、ハイエンドのPS1000に行き、結局、またRS1iに戻りました。

325と比べるとRS1はとてもまろやかです。325の特徴的なあの高音が穏やかになっているからです。
SRとRS系の音は、音質は全く一緒で、聞き慣れたグラドの音そのものです。
ですが、GSとPS系の音は、全くの別物で、どちらかといえば、高解像度の普通の音になってしまっています。ノリが良くないのです。
僕の所有していたPS1000でいえば、一部の音に著しく痛いところがあり、これは対処の方法がない根本的なドライバーの問題であり、このヘッドホン自体の構造に問題があると言わざるを得ませんでした。
これは誤解のないように書いておくと、グラドのみの問題ではなく、たいていの市販のヘッドホンはこのように一部で痛い音がするのが普通なので、こういう物だと言えばこう言う物でもあるのです。
しかし、この価格でハイエンドのフラグシップを名乗る限り、このような欠陥は許されるものではありません。おそらく2-4khzにある妙なピークは致命的でした。

そういう経過の後、結局、僕はPS1000を手放して、聞き慣れた懐かしいグラドの音がするRS1iに出戻りました。
GSやPSの音の傾向なら、なにもグラドである必要を感じないからです。僕にとってのグラドの音は、SRやRSで実現しているあの軽くて軽くて抜群にノリの良い音そのものだからです。基本的にGSとPSの音は、すっきりした明晰な音で他のハイエンドなダイナミック型ヘッドホンの音と非常に近い為、あえて選択してまで聴くほどの必要がないと思いました。
この傾向の音ならば、ゼンハイザーなどの方が幸せになれる気がします。ゼンハイザーは明晰かつフラットで、とりあえず万人に勧めておけば間違いはない音です。僕はその無個性に驚愕して、むしろ即手放してしまいましたが。

このRSのグラドの音で、僕はPOPSしか聞きません。クラッシックはSTAXに任せています。
というわけで、もう長い間、グラドとSTAXのファンです。もうこのふたつがあれば、当分、ヘッドホン選びから遠ざかれるかなと思っています。 
 
注記
最近では、コンデンサー型の音質に対して、以前は明らかに劣っていたダイナミック型ヘッドホンが、ほとんどレベル的には遜色ないところまで来ているようです。
ようですと、あくまで仮定の伝聞なのは、自身がまだ、確認しているわけではないからです。
ゼンハイザーのHD800など、幾たびか視聴はしましたが、やはり自宅でキッチリと確認しないことには断言はできません。
ですが、多くの方がそのような認識を持っているということは、ダイナミック型の設計レベルがかなり上がって来たことだけは間違いないかもしれません。