ブログなんかめんどくせえよ

低山ウルトラライト登山/トレッキング/ハイキング専門です。なので装備や道具[ギアグッズ]のレビューは偏っています。防災を兼ねたアウトドア系サバイバルグッズやデジタル関係、モバイルバッテリー・ミリタリー系も大好物です。最近はBluetooth中華イヤホンや防水スピーカーもです。PS4とXboxOneはFPS系が多いです。(無断転載不許可です。)

【批判的レビュー】エバニュー(EVERNEW) チタンアルコールストーブを登山に投入する

エバニュー(EVERNEW) チタンアルコールストーブ EBY254 についてです。

まとめ
■実用性は皆無
■燃料が読みにくい
■趣味か遊びなら持ち歩ける
■もしどうしても欲しいのなら、チタン製ではなく、真鍮製のトランギアの方が優れているが、とにかく重い

DSC03507.jpg  

結論から、先に書きます。

結論→使えないです

ただし、限定的に春先から秋口までの比較的高温期なら何とか実用になります。快適に使うことのできる使用温度下限ですが、おそらく山頂で10℃以上でしょう。しかも弱風で。

いや、こう言うと誤解する方がおられるでしょうが、-5℃くらいまでは何とか火は付きます。
ただし、「実用的」とはとても言えないと思います。

関東圏南部平地の真冬に自宅バルコニーにて記録を取りながらテストを数十回繰り返しました。テストした温度0度から10度くらいまでです。

その挙げ句の果てに、800メートルほどの低山にてテスト投入しました。

ほんとに使えません。

アルコールストーブが使えない理由
1 テスト時と実戦投入時のデータ乖離が大きすぎて、燃料予測が難しすぎる
2 風や気温や天候などの環境依存が大きく、信頼性があまりにも低い
3 火傷などの危険が大きい


自宅テストでは問題なくても、実戦では風防対策や地面の状態などによる「立ち消え」があり、また環境によって「燃料消費量が予想以上に大きく」なります。

もともとこのエバニューのチタンアルコールストーブは、軽さ優先の作りでチタン製のため他のアルコールストーブと比較して「燃費が悪く」例えばトランギアの真鍮製ストーブに比べても3-4割燃費は悪化する傾向があります。

しかも、アルコールストーブの宿命として、「環境依存」がとても激しいです。
要するに、過酷な環境ほど、役に立ちません。

特に風と低温です。

アルコールストーブを屋外で使用する場合は、当然、風防が必須です。
しかし、たとえ風防を使用したとしても、「立ち消え」の可能性が小さくなるだけで、使用途中に火が消えると云うことは普通に起こります。

また風が吹けば炎が揺られて、アルコール消費が予想以上に増大します。

これが、燃料予測を難しくさせる要因として大きなウェイトを占めていて、平地テストの2倍以上の燃料を持参しないと、山ではお湯が沸かせないという事態が頻繁に発生します。

だいたいにおいて、アルコールストーブを検討中の方は、ウルトラライトなハイキングを目指されている方が大半だと思います。

その場合、ギアに求めるのは、「軽さ」と「信頼性」だけですが、製品の環境依存度が大きければ、結局、予備も含めて「持参する燃料」が跳ね上がりますので、最終的にはアルコールストーブ全体として重量はかさみます。

そうしないと、「怖くて実戦投入できない」からです。

いざ、お湯を沸かそうと思ったら、燃料がない、ではすまないわけです。
これを避けるための予備燃料が結構必要なことに注意が必要です。

平地テストの2倍プラスアルファ位が目安になると思います。
この為、持って行く燃料の総量は意外に重くなります。

これを少しでも押さえようと思ったら、カルデラコーンのような燃費が大幅に改善するアイテムが別途必要です。ですがカルデラコーンは入手も面倒で大きすぎ、重すぎるという欠点があります。

アルコールストーブの必需品
★100円ライター
★プライマーパン[外気温5度以下の場合]
★風防 ステンレス製もしくはチタン製[どのような場合でも屋外なら必須]
★ゴトク[使用するだけで燃費は悪化。適正なゴトクでなければ燃費は更に悪化。使用すればお湯は早く沸くことは事実]
★燃料用ボトル
★マグカップのふた[蓋なしと蓋ありだと、沸騰時間が全く違います]



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T'sストーブのチタンゴトク

それでは順をおって説明しましょう。

まず、低温時には、プライマーパンが必須になります。
最初にココに燃料を垂らして、着火させます。

そこに燃え広がった火が、次第に本体の燃料に着火します。
5℃以下の低温時は、こうしないとアルコールになかなか着火しません。
ライターも、プライマーパンを使用しなければジッポーでは火が付きません。100円ライター必須です。

低温時にプライマーパンを使用しないと「立ち消え」の原因にもなりますし、燃費も悪化します。
ですので、必須です。

逆に10℃以上の気温の場合、プライマーパンを使うと燃焼温度が高くなりすぎるため、異常燃焼します。
燃費は、その場合も大幅に悪化します。

30秒ほどのプレヒートの後、炎が安定します。本体が十分に暖まり、燃焼が安定すれば、今度は逆に息で炎を吹き消すというのは出来ません。炎はそう簡単には消えず、消す場合は使用していないカップをかぶせるしかありません。

ここでやっとカップを載せるのですが、その前に炎の立ち消えの原因を述べておきましょう

1 低温下で本体が暖まるより早く、熱が逃げ、アルコールがうまく気化しない
2 風防をきつく巻きすぎて、酸素供給が絶たれた
3 地面が濡れていて、その湿気が本体の熱に暖められて上昇し、カップの底に付着して水分となり、立ち消えする。[ゴトクが低い場合とゴトク無しで使用する場合は、特に立ち消えに注意する]


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[適正なサイズのゴトクを使えば、湿気による立ち消えは防げます]

ただし、普通に売っている十字ゴトクは、本体とカップの間の距離が短すぎます。つまり、燃費は悪化してしまいます。
最後まで立ち消えしなければ、お湯が沸騰しますが、簡単ではありません。

特にやはり外気温と風に沸騰時間がだいぶ左右されます。

途中で燃料が切れれば、再投入しなければなりません。想定より気温や風が強ければ、あっという間に燃料は切れて、やはりお湯は沸騰しません。

先に書いたように、過酷な環境であればあるほど信頼できません。
信頼性を上げようとすればするほど、持ち物は増え、持って行く燃料は増え、それでいてお湯が沸かないことも多いです。

もし、アルコールストーブを使いたいなら、外気温10度以上が目安でしょう。特にこのチタン製のエバニューにはその傾向があり、外気温が暖かければ暖かいほど、燃料消費は予想に近くなっていきますし、お湯もまた沸きやすくなります。

-5度以下で使用する場合は、むしろ低温専用の機構を持ったストーブを使う必要があると思います。

どうしても趣味を兼ねてアルコールストーブを持ち歩きたいのであるならば、トランギアの真鍮製アルコールストーブがその材質から言って、優れていると思われます。
ただし、絶望的に重いのでウルトラライトからはほど遠くなります。

このような様々な理由から、結局、今はエスビットに切り替えました。

信頼性はありますし、途中で消化可能です。かなりの強風でも風防を使えば炎は消えません。プレヒートも必要ではなく、燃料消費量も読みやすい。気温もあまり関係なく、何よりもアルコールストーブなど話にならないくらい軽いです。日中でも炎が見えるので、火傷の危険も少なく、万が一ストーブを倒しても息を吹きかければすぐに消化できるので、辺り一面火の海という危険もありません。

低山での実戦テストでも、好結果でした。

追記
遊びでなら使えますが厳しい環境でとても使えるような代物ではありません。
一時期、一部ウルトラライト系登山ショップで盛んに宣伝されていましたが実態は夏の風がないとき以外はほぼ「ゴミ」です。

なので「軽さ」を優先する方はエスビットを持ち歩き、実用を優先するなら「ガスストーブ」という選択肢しか実質的にはありません。



参考記事
チタン製風防TORKS エスビットやアルコールストーブになどに必須のウィンドスクリーン

エスビットでウルトラライト登山を極める為のストーブ  

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こちらの材質は真鍮なので重いのですが、熱の伝わりがよく低温に比較的強いです。


チタン製の風防です。これは絶対に必須のアイテムです。





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