ブログなんかめんどくせえよ

低山ウルトラライト登山/トレッキング/ハイキング専門です。なので装備や道具[ギアグッズ]のレビューは偏っています。防災を兼ねたアウトドア系サバイバルグッズやデジタル関係、モバイルバッテリー・ミリタリー系も大好物です。最近はBluetooth中華イヤホンや防水スピーカーもです。PS4とXboxOneはFPS系が多いです。
ブログなんかめんどくせえよ TOP  >  サバイバルグッズ 登山&防災/装備 >  低山登山での遭難を考えてみる 丹沢・大山に学ぶ遭難事例

低山登山での遭難を考えてみる 丹沢・大山に学ぶ遭難事例


まとめ
■低山登山の最大の問題は「体力不足」
■ヘッドランプは必ず装備する
■GPSや地図のチェックを忘れずに


20140309_040444432_iOS-2.jpg
大山・見晴台にて・・
使用しているデータは大山管轄の警察署発表の直近4年間のデータとなります。すべて僕自身がまとめてグラフ化してあります。
間違いなどがあるかも知れませんが、一人でも低山登山での遭難を少なくするために書いた物です。気になった方は拡散して頂けるとありがたいです。


今回は、低山登山の危険性などをデータから読み解いてみたいと思います。

神奈川の丹沢に「大山」という超メジャーな山があります。
標高は1252メートルの低山で、ある程度の年齢がいかれた方で神奈川県で生まれ育ったのなら大山に登ったことがないという方の方が少ないという神奈川県民の心のふるさとのような山でもあります。

都心からも約1時間半から2時間もあれば来られるので、ほとんど観光地化しているのが大山で、一昔前なら小学校の遠足のメッカでもあったので、神奈川で生まれ育ったのならたいていの方が一度は登ったことがある山です。

金時山か大山かと云うほどの人気を二分する山ですが、最近の小学生は「登山は危険」と云うことでいつの間にか大山登山が遠足からなくなってしまったので若い方ですと登ったことのある人はほとんどいないでしょう。

この大山は、山の中腹までロープウェイが曳かれ、登山道はきっちりと整備されています。
普通に歩いていたらまず迷うようなことはなく、一度でも大山に登ったことがある方ならむしろこの山で「遭難」する方が難しいと云うのが大方の人の見方ではないかと思います。

ハイシーズンでは人が溢れ、いちいち挨拶していると山頂に着くまでに声がかれるのではないかと思うほど登山者が多く、たいていのガイドブックでも「ファミリー向けとか初心者向け」と記載されていますので、登山者はかなり多い山です。

そんな人気の丹沢・大山でどれくらいの遭難救助が発生してるのでしょう。

■平成28年度 20件 24人
■平成27年度 13件 15人
■平成26年度 13件 17人
■平成25年度 13件 21人


1年平均で約15件の遭難が発生しています。
救助された人は年平均で約19人が助けられています。

この4年間で4人が死亡もしくは行方不明になっているので、約1年にひとりの方がなくなっている計算になります。

僕は大山にはたぶん30回ほど登っていますので、このデータに大変興味がわいたわけです。
そもそもいったいどうやったらこんな観光地のような低山で救助要請することになるのかと考えてみると、面白いものが見えてきたのでここに掲載しておきます。

【遭難理由別グラフ】

キャプチャkyukyu

■道迷い 24%
■転倒・滑落 40%
■夜間装備不携帯 9%
■疲労 27%

全体の実に4割が「転倒・滑落」での救助となっています。
このうちのほとんどが転倒であり、滑落はほとんどありませんが、滑落すると重傷もしくは死亡に至るケースが多いことに注意が必要です。
単なる転倒の場合は「骨折」か足をくじいたなどの軽傷がほとんどで、怪我はたいした事はないが行動不能に陥っての救助に至るケースが多いようです。

次に多いのが「疲労」です。
疲れ果てて行動不能になるケースが全体の約27%を占めています。
じつはこれ、神奈川のもうひとつの人気の山である金時山ではもっと割合が少ないのではないかと思っているのですが、大山というのはちょっとキツイ山なのです。
普段山に慣れていない方が休日に登ってみようとやってきて疲労困憊というのは想像できます。

実際に僕は初心者を何人も連れて行っていますが皆さん翌日は筋肉痛で動けないか、高熱を出して寝込んだりする方を何人も見ています。
その方達は一様に「大山をなめていた」と云いますが、事前に何度言い聞かせても「ネットなどに書いてあるファミリー向けや初心者向け」という情報を鵜呑みにして何のトレーニングもせずにやってきて、打ちのめされて帰路につきます。

次に多いのが「道迷い」となります全体の24%近くを占めていますが、これが理解できないのです。
大山というのは登山道がきっちりと整備されていますので迷うことの方が難しいと思うのですが、現実には4人に一人が道に迷っています。

この道迷いに関してはおそらく事前の準備不足や装備不足が招く部分がととても大きいのではないかと推察しています。
なのであらかじめのルートチェックやスマホのGPS確認などは必須で行っておくべきでしょう。

【年齢別遭難グラフ】

年齢別

もう圧倒的に70-80代の方が多いわけです。
この年代になるとおそらく登山歴数十年のベテランの方だと思いますが、さすがに70代を超えてくると体力面や認知の面で相当に厳しくなることが分かります。

グラフを見ても年齢が上がるにつれて救助要請が増加してくるので、やはり体力面などの衰えが遭難と無関係だとは言い切れません。

ところが10代の遭難は40代と同程度と驚くべき数値になっています。
体力に優れる20代も意外に遭難しています。

【年代別遭難理由】

【10-20代が遭難する理由

20.jpg


このグラフを見ると一目瞭然ですが、若者が遭難する理由は「道迷い」と「装備不足」です。
ようするに「手ぶらに近いスタイル」で何の知識もなく軽装備で登山して、夜になってヘッドランプ無しで降りられなくなるか、事前のルートチェックなども何も無しで適当に歩いて道迷いしてしまうと云う事になります。
なので、最低限の装備と地図などを持って道標などをキチンとチェックしていればほぼ遭難することはあり得ないのではないかと思われます。

大山で道迷うなどちょっと考えられないのですが、やはりどこかに入り込んでしまうのか、注意力が不足しているのか、いずれにしろスマホなどのGPSなどをキチンと稼働させれば迷うことはないはずなので「装備とルートチェック」などがしっかり準備してあれば10-20代の遭難はほとんどなくなるとは言えます。

一件だけ10歳の子どもが谷側に転落したという事例は除いていますが、これは保護者がしっかりとすべき事例だと思います。
この事故では子どもは助かりましたが、助けようとした父親が転落してなくなっています。

ちなみに僕はよく大山で「かなりの軽装の若者」とよくすれ違いますが、真冬にジャージで手ぶらの高校生カップルや大学生が斜めがけバックひとつで夕方に登り始める人など普通に居ますので、ちょっと考えられません。

【30-50代】

キャプチャ30

30代以降になると「転倒・滑落」が大きなウェイトをしめ出します。
この登山の中心とも言える世代が救助される理由は以下になります。
■道迷い 23%
■転倒・滑落 53%
■疲労 23%

ようするに道迷いが減る分、転倒滑落・疲労による行動不能でほぼ80%近くを占めてしまいます。
10-20代にはなかった理由なので基本的には「体力不足」がほとんどと言ってしまって良いと思います>

【60代】

キャプチャ60

この年代はちょうど危険な年代である70年代手前なのでひとつの項目として分けてみました。
■転倒・滑落 38%
■疲労 38%
■夜間装備不足 25%

転倒・滑落・疲労などの体力的な要因が依然として大きいのですが、なぜか「夜間装備不足」による遭難が増加しています。
この原因ですが、おそらく定年退職して新しく「山登り」を始めたが、装備が不足し経験も足りないため下山がおくれてヘッドランプ不足で立ち往生して救援を求めると云う事だと思います。

【70-80代】

キャプチャ70-80

■道迷い 22%
■転倒・滑落 36%
■疲労 41%

急に疲労による救助要請が増加しています。
実に41%が疲労という理由です。

道迷いは22%なので30-50代と変わらず一定の割合がありますが、これを除けば転倒・滑落・疲労のどれかで救助要請していることになります。
ただし、道迷い=行方不明・死亡という重大な結果に結びつく例があり、若者と違い道迷いが「認知的なもの」の結果として表れる場合が出てきます。

大山では大ベテラン風の年配登山者によく出会いますが、昔の経験と自信のまま登り、遭難するということが多いように見受けられます。加齢による衰えは本人が思うよりも強い影響があると云わざるを得ません。

【低山登山の危険性まとめ】
とにかく「装備」と「体力」が重要です。
とくに「体力不足」が低山登山では致命的になってくることがデータから読み取れます。

低山登山では気軽に登れる分、危険な状況を作り出す理由のほとんどは「まさに体力不足」だと云う事です。

転倒なども疲労による注意力低下から、ちょっとした油断をうみ、足をくじいたり骨折したりということで、適切な体力があればカバーできる場合がほとんどではないとか思われるのです。
たとえば10-20代の方では一件も疲労や転倒などが報告されていないので、高い基礎体力があれば防げる可能性が高まるという事です。

なのでデータから見る限りは、一にも二にも低山登山は「体力」が大事で、その次はヘッドランプなどの基本装備だと云う事です。

体力に不安を感じた場合は、そのまま突き進まずに「下山すれば」多くの場合、かなりの数で救助要請を減らせる可能性があります。

勇気を持った決断が必要だといえるでしょう。

参考記事
【最強】 iphoneで使える登山用アプリのオススメを紹介する  

登山用GPSで遭難は防げるか? 道迷いを防ぐために。 

登山遭難関係の本を紹介します   



特典!純正ケース&電池 付きお得なセット商品日本詳細地図(山)セットeTrex 30x J 日本語版【送料・代引手数料無料】(eTrex30xJ日本語版)GARMIN(ガーミン)

価格:74,326円
(2016/12/12 03:26時点)
感想(1件)










 
関連記事
こんにちは、お邪魔します。
職場の同僚に誘われ、10月から計3回日帰り登山に行きました。

同僚達は初めてなので、通常よりも1~2時間多く見積もったゆっくりペースでオッサン3人組の楽しい遠足でした。

3回目は比較的低山をプチ縦走するコース。
メジャーなルートで道が出来ており、ぶっちゃけ迷うハズもありません、

せっかくなので、地図&コンパスナビの使い方講座として基本を教え、若手にナビゲーターをさせてました。
練習なので、移動中でも自分達は地図上で大体どの辺にいるかを意識しながら歩く事を留意させました。

しかし後半疲れてくると地図を意識しなくなり、お喋りに気をとられて分岐点で道を間違うミスを2回も起こしました。
ほっといて観察すると、気づかずそのまま進みます。
途中で教えて戻しましたが、本人はピンと来てない感じです。

メジャーな低山はなまじ道が分かりやすいので、何も考えずにただ進んでしまい、自己の現在地やそもそものルートや地形を把握していないので、かえって迷いやすいのだと思います.
疲労も重なると、小さなミスでも適切な判断が出来ずにパニクる傾向も悪循環を生むのでしょう。
[ 2016/12/17 22:46 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
レンジ男様、お久しぶりです。
お元気で何よりでした。

最近は登山の話題よりもオーディオ系などに興味が移り、ご不便をおかけしています(笑)

>しかし後半疲れてくると地図を意識しなくなり、お喋りに気をとられて分岐点で道を間違うミスを2回も起こしました。
>ほっといて観察すると、気づかずそのまま進みます。
>途中で教えて戻しましたが、本人はピンと来てない感じです。

この一文が全てを物語っているのですが、その通りだと思います。

僕も今回データをまとめてみて遭難/救助要請には「体力不足」がかなりのウェイトを占めているのを感じて驚いた次第です。
たぶんですが、たまの休みに張り切って山に出かけて「途中で撤退」というシナリオを描くのが辛いのか、無理して進んで怪我をしたり「注意力低下」から道に迷う、と云う事例が予想以上に大きいと思いました。

ちなみに僕は「体力不足」を痛感しているので、疲れるとその場でお弁当を食べて帰ってきてしまうので頂上を踏まないこともたびたびです・・・

そういえば本文にも書きましたが、低山では時々どう見ても学校帰りの大学生らしき単独者が日没ギリギリに山に入っていくのを見掛けますが、アレは何なんでしょうか。
思わず声をかけそうになるのですが、なぜか人目を避けるようにショートカットしていくので、疑問が絶えません。

最近は話題が色々と飛ぶので何のサイトだか不明瞭になってきましたが、今後とも見捨てずに絡んでいただけると嬉しい限りです。


[ 2016/12/18 02:04 ] [ 編集 ]
こちらこそ、ネタも無いのでコメントは特にしていませんが、記事は毎回楽しく読ませていただいてます。
今回の経験も含め低山遭難関連のネット記事も色々検索してます。

そして夏に購入したサイトロン単眼鏡、ついにお山デビューさせましたよ。
必須品ではないのですが、やはり有ると楽しいですね!意味もなく覗きまくってます(笑)
重さは気になりませんが、若干の不満点はゴムボディの摩擦でポーチからの出し入れが煩わしいのと、収納スペースの確保位です。大した問題はありません。
良い品のご紹介ありがとうございます。


そしてそして、昨日別の用事で大手家電点に立ち寄った際、ふと双眼鏡単眼鏡コーナーでヴィクセンを目にしてしまい、全く不要なのに4倍を買っちゃいました!

これはたしかに素晴らしいコンパクトさですね!
私も装備や気分でサイトロンと使い分けます。
[ 2016/12/18 09:32 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
レンジ男様

サイトロンは余程のマニアでなければ「見え味」は納得の1本だと思うのですが、おっしゃるとおり「必須」ではないので判断が分かれるところだと思います。ですが、双眼鏡はさすがに重すぎ、なおかつ「見るという動作に時間がかかる」ので結局手放してしまい、登山では単眼鏡だと思いいたったわけですが・・僕もレンジ男様とまったく同じコースを辿り、大手家電店でビクセンの4倍を見てしまうと「これはいいぞ」となってしまいました。

倍率的には最初の1本ならサイトロンの7倍かビクセンの6倍をオススメしているわけですが、サイトロンが7倍なので使い分けなら4倍のあのコンパクトさはかなりいけていると思います。
特にサイトロンを所有していると、ビクセン4倍の小ささは衝撃的で・・・たぶん同じ事を感じていただいたのではないかと想像していますが・・・覗けば結構クリアな視界で視野角もそこそこあるのでコンパクトなもの好きだと居ても立ってもいられなくなるという魔力がありますね(笑)

特に薄暗い樹林帯の登山道で「道の先をちょっと確認する」と云う用途だと機動力がかなり高いです。
雄大な景色を楽しむというのなら「もう少し倍率が欲しい」のも確かなのですが、そういった場面ではサイトロンが威力を発揮してくれます。

最近「プチ旅行のドライブ三昧」なので旅行・ドライブ時はサイトロンが大活躍です。

そうそう、例えば道迷いなどが万が一に起こった場合、「人の手が入っている可能性の高い杉林」を山の稜線上から探す等という用途にも単眼鏡は使えるので、いざという時にも役に立つかも知れないと最近思っています。

定期的にぜひコメントを・・・待ってます(笑)






[ 2016/12/18 12:51 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL