ブログなんかめんどくせえよ

低山ウルトラライト登山/トレッキング/ハイキング専門です。なので装備や道具[ギアグッズ]のレビューは偏っています。防災を兼ねたアウトドア系サバイバルグッズやデジタル関係、モバイルバッテリー・ミリタリー系も大好物です。最近はBluetooth中華イヤホンや防水スピーカーもです。PS4とXboxOneはFPS系が多いです。
ブログなんかめんどくせえよ TOP  >  ミリタリー低山登山 >  プリマロフトについて ■アメリカ軍の要請で開発された合成マイクロファイバー素材■

プリマロフトについて ■アメリカ軍の要請で開発された合成マイクロファイバー素材■



o0400016312784501697.jpg

アウトドア向けの化繊素材としてもっとも著名な素材にプリマロフトがあります。
インサレーションジャケットの内部断熱材に使われる化繊素材で最近使用するウェアが増えてきています。

もともと1983年にアメリカ陸軍の要請によりナティック米陸軍研究所からalbany社にアプローチされて開発された防水性合成マイクロファイバー断熱材です。
それまで米陸軍で使用されていたウールは濡れても保温性があるので重宝されましたが、重く濡れても乾きにくいなどのデメリットがありました。

ダウンは高コストで有り、なおかつ濡れに非常に弱いという特性があり、米軍の寝袋の代替として開発要請された素材としては不適格でした。
世界的な戦場で戦う米軍は「あらゆる天候と地形に適応する汎用的な性能」が求められていたのです。

新素材の開発目標としては、「重量・圧縮性能・保温性」を維持した高性能合成断熱素材を開発することだったのです。

特に「濡れても保温性能を維持する」と云うことは重要な項目でした。

プリマロフト合成断熱素材はそれらの開発目標を高いレベルでクリアし、特に「濡れても98%の保温能力を維持する」素材です。

そういう経緯で開発されたプリマロフトは「ダウンと同等とかダウンの8倍の暖かさ」などのキャッチコピーで瞬く間に広まったのですが、プリマロフトにはそこまでの性能はありません。



【プリマロフトのメリット】
■化繊素材の中ではトップクラスの能力がある
■素材が水分を含まないので速乾性がある
■ウールなどと比較すると軽い

【プリマロフトのデメリット】
■圧縮するとヘタレ易い
■ダウンと比較すると重い



化繊素材なので着用しているうちに素材が潰れクセがついて保温能力は落ちていきます。
化繊素材もダウンと同様に潰さずに妙なクセを付けないように保管する必要がありますが、着用状態でも保温能力は劣化していきますのである程度の能力低下は許容範囲として受け入れるしかありません。

ただし、長期使用における保温能力の低下についてはあきらかにダウンよりも少ないのでラフな用途には向いているといえます。

【プリマロフトのグレードについて】
近年、プリマロフトの名称変更が行われたようです。
これに伴い以下のように呼称が変わっています。

プリマロフトワン→プリマロフトゴールド
プリマロフトスポーツ→プリマロフトシルバー
プリマロフトエコ→プリマロフトエコ

能力的には「濡れたときの保温性能」に違いがあり、ゴールドは98%。シルバーは85%の保温性のを維持するようです。

【プリマロフトの保温能力】

ダウンの8倍などという情報があちこちに書かれていますが、とてもそんな性能はありません。
もしそんな素材が本当にあるとすれば価格の高いダウンなどメーカーが使うメリットがありません。

最近では登山用の高性能ダウンジャケットの一部に封入したダウンを撥水加工して濡れや湿気で能力を一気に失ってしまうダウンの性能低下を防ごうという動きがありますが、ここまでしてダウンを使用するのはその驚異的な保温能力のためです。

もう一度書きますが、現状ではダウンに及ぶ保温能力を持った化繊素材は存在しません。

ダウンはフィルパワーがあるので同列に計測するのが難しいのですが、データによれば850FPダウンの3割程度の能力しかないのが最高レベルの化繊素材であるプリマロフトワンの実際の能力値です。

ほぼ最高峰のプリマロフトワンですらこの程度の能力なので、同程度もしくは類似した市販される化繊素材のすべては同等もしくはこれ以下の能力しか持たないと言いきってしまっても良いと思われます。


【プリマロフトとダウンの決定的な違いについて】

もう既におわかりだと思いますが、暖かさで云えばプリマロフトはダウンの3割程度の暖かさが有りますが、着用や保管におけるヘタレや寿命に関してはダウンよりも明らかに良いです。

それでも化繊素材はクセがつきやすくヘタレ易いので保管には気を遣います。

能力的にダウンと同じような暖かさの衣服を作るためには単純に表面素材が同じなら重さも3倍になります。

更に決定的なのは一度濡れたらそう簡単には乾かないというのがダウンの最大の欠点で有り、この点では化繊素材であるプリマロフトが有利です。
フィールドでダウンを濡らせばまず乾かすことは不可能ですが、プリマロフトなら問題なく乾かすことも可能です。

また、プリマロフトは完全に濡れても保温能力がゼロにはならないため、濡れたらアウトのダウンを大きく凌ぎます。


DSC09620-1.jpg

【プリマロフトを使用した代表的なウェア】

■ECWCS GEN3 LEVEL7
僕は毎年冬になるとプリマロフトワンを封入したECWCS GEN3 LEVEL7をよく着ていますが、正直に書くと「そんなに驚くほど暖かくない」というのが本音となります。
化繊のポリエステルがタップリ詰まったN3Bフライトジャケットなどと比べてしまうと「寒い」くらいです。
N3Bの本物はあまりにも重いので気軽に羽織れる代物ではありませんが、暖かさで云えば圧倒的にN3Bの方が性能が高いです。

もともとLEVEL7はかなりゆったりとした衣服なのですがシャツの上に普通にはおれるように普段よりもワンサイズ落としたXSサイズを購入しました。
サイズ的にはちょうど良いのですが、着用している感覚からすると「普通の化繊」感覚です。
(ちなみにLEVEL7のXSサイズは偽物といっているサイトもあるようですが、キチンと存在します)

ちなみにジャケットの表面素材がEPICを使用したものでなければ防水性は皆無です。
あくまで合成素材なので水分を含まないと云うだけで濡れないというわけではありません。

■パタゴニア ナノパフジャケット
化繊でもっとも有名なアウトドア保温ジャケットと云えばパタゴニアのナノパフが上げられます。
こちらはプリマロフト・ゴールドを使用していますので濡れても98%の保温性能を維持できます。

ナノパフジャケットは化繊素材にして相変わらずの価格の高さで、諸手を挙げてオススメできる物ではありません。
せめてもう少し価格が安ければと思います。

■ノースフェイス ホワイトランニングジャケット
僕が所有している物ではノースフェイスのホワイトランニングジャケットがプリマロフトエコを使用しています。

ペラペラのシート状の素材なので保温性能はかなり低いのですが、その軽さとコンパクトさは驚異的ですらあります。


【プリマロフトのまとめ】

実際にプリマロフトの衣服を着用しても「劇的に暖かい」などと云うことはありません。

同じ気温で着用感を比較するともう圧倒的にダウンの方が暖かい感覚はしますので、化繊素材の中では優秀なのでしょうが革命的な素材だとは言いがたい部分を感じることも事実です。
確かに数値上の能力は高いのだと思いますが、着用した瞬間にさすがプリマロフトだとは云いにくいのであまり過大な期待を抱くべきではないと感じています。

この点ではあくまで化繊素材の能力向上を図った延長線上にある素材です。

ただ、プリマロフトのバリエーションの1つにプリマロフトをシート上に薄く加工したプリマロフト・エコと云われる素材がありますが、こちらは個人的に大変評価しています。

薄い布状なので軽く、速乾性は高く、なおかつ最初から加工済みなので長期使用や圧縮時の素材のヘタレにも強いと思われます。

とても薄くて軽い素材でデッドエアを含む量も小さいため決して暖かいものではありませんが、こちらを巧く活用した衣服は登山などのアウトドアでは劇的なパワーを発揮するところがあります。


参考記事
ノースフェースの超軽量化繊ホワイトランニングジャケット 低山登山では最強かも?  


アメリカ軍 U.S. ARMY GEN3 Level7 PRIMALOFT/プリマロフト ECWCS パーカー(新品 実物 ミリタリー)

価格:26,784円
(2017/1/13 17:04時点)
感想(0件)

ECWCS GEN3 LEVEL7です。プリマロフトワンを使用しています。

パタゴニアのナノパフです。


プリマロフト・エコを使用しています。


THE NORTH FACE(ノースフェイス) White Running Jacket [ホワイトランニングジャケット] (メンズ) NY31661

価格:16,900円
(2017/1/13 17:03時点)
感想(0件)

プリマロフト・エコを使用しています。






 
関連記事
素晴らしい
いつも詳しい比較記事ありがとうございます。暖かさの確保と装備の軽量化は死活問題ですので、大変参考になります。

自分も化繊ダウンを買う際に大変迷いまして、最終的にTJARの報告書を参考にしつつ、お財布と相談しつつ、モンテインのファイアーボールヴァープルーフジャケットにしました。これはリバーシブルになっていて片方は保温性が高く、片方は通気性がいいという走る前提で作られているので、とてもいいです。

ただ仰る通り、化繊ダウンのみで暖かさを確保するのは厳しいですけどね
[ 2017/01/14 17:51 ] [ 編集 ]
Re: 素晴らしい
砂糖次郎さま

いつもお世話になっています。
過分なお褒めの言葉・・・ありがたいことです。

モンテインのファイアーボールヴァープルーフジャケットは初めて見ました。
さすがに化繊・・重いですが性能は凄いですね。

あのー登山ブランドにこだわりがなければアディダスとかナイキとか、時々とんでもない軽量化繊ジャケット出しますよ。

ご興味があるのなら注目しておくと良いかも知れません。
アウトレットでなら2000-3000円とかで手に入ったりします。
化繊なのでそうそう性能差が出にくいところはあるので、うまく手に入ると登山用品真っ青の化繊ジャケットがひっそりと売られていたりします。

もちろん表面素材がパーテックスとか通気性とかそんなものは何もないのですが・・・軽さだけなら「まぢか?」というものが普通に売られたりしますよ。

それでは。

[ 2017/01/15 03:48 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL