ブログなんかめんどくせえよ ホーム » 中華イヤホン・中華DAP »【コラム】 イヤホンで最強の音を出していたクソジジイの話し

【コラム】 イヤホンで最強の音を出していたクソジジイの話し  


204333689_5550df31ff_o.jpg

これは今からちょうど10年ほど前の話しになります。

まだヘッドホンすら「日陰者」の時代で、一部の機種が評価されている程度の頃でした。
いまでも「音のグレード」という意味ではたいした進化はしていませんが、そのころ世間ではやっとヘッドホンの音を本格的に聞き始める人が増えてきた頃になります。

僕もちょうどSTAXやらGRADOのヘッドホン購入して楽しんでいましたが、これはヘッドホンの音が良いと云うよりも「スピーカーでは聴けない音を聞く」という目的のために購入したというのが本当の理由です。

当時使用していたスピーカーではまだJPOPが巧く鳴らせませんでしたし、解像度という点ではSTAXを使う方が遙かに簡単だったからです。

つまり、スピーカーとは上手に棲み分けていたわけですがそれでも音のグレードの低さはスピーカーとは比べるまでもなく、積極的に聞き込むと云うよりもスピーカーの補助的な音響機器としての位置づけとしていました。

たぶん当時はまだほとんどのピュアの人がそんな感じではなかったかと思います。
なにしろGRADOのヘッドホンを国内で取り扱っている店舗はまだ数店舗ほどしかなく、試聴するのですら大変な時代でした。

僕はと云えばヘッドホンをサブにしていましたが、基本はスピーカーでしたのでそちらの真空管プリアンプの球をとっかえひっかえしてノイズを調整していたのですが、この頃は日本製のヴィンテージ管をもとめて秋葉原の真空管屋に出入りしていました。

真空管というのはヴィンテージの世界は偽物が横行している世界で、たいていの場合、自分で判断がつかないと訳の分からないリプリント品を買ってしまったりするわけですが、こういった出自のよく分からない真空管を普通にオススメしてくるのが真空管屋のクソジジイだったりするわけです。

プロとしての意地やプライドなどどこ吹く風で、油断しているととても危険なのが真空管屋で、対面販売でよくこんな物を売りつけられるなと思ったりします。

なので初心者の方にはうかつに真空管屋に出入りしないように「指導」しているわけですが、これは僕が散々クソジジイと戦って得た知識の1つです。

僕はヘッドホンアンプの真空管やメインやサブシステムの真空管を手に入れるため、当時はよく真空管屋に出入りしていましたのでよく顔を出していた真空管屋のクソジジイとは顔見知りなっていましたが、黙ってオススメを買っているとたいていろくでもない真空管を掴まされるため、とても警戒していました。

ここでもう一度整理しておきますが、この時代はヘッドホンですらまだ積極的に聞くのはマニアのみで、今のように誰も彼もがヘッドホンで音を聞く等という時代ではありません。
ましてやイヤホンなど積極的に聞くなどと言う風潮はほとんどなく、例えば僕などはイヤホンを聴くなどとは考えもしませんでした。

この時はまだこういう時代だったのです。

なので僕のイヤホンの知識などほぼゼロに近く、また聞き込もうという気もゼロでした。

lgf01a201307111100 (1)

これはそんな時代に「最強の音」をだしていたクソジジイの話となります。

これまで書いたように真空管屋のクソジジイはかなりの食わせ者で、とにかく油断ができないジジイなわけですが、真空管屋の責任者をやっているだけあっておそらくオーディオに対する相当な知識はあると思われるわけです。

話をしていてもそんな感じはしなかったりするわけですが、音に対するこだわりがなければ真空管屋のジジイなど務まるわけがないのは想像がつきました。

このクソジジイがある日真空管を選んでいた僕に話しかけてきたのです。

内心ではまたろくでもないノイズまみれの真空管でも買わせるつもりかと警戒モードに入ったのですが、ジジイは僕にこう言いました。

「いつも来て真空管を買ってくれるから、今日はオレのイヤホン用のアンプの音を聞かせてやる」

はぁ?
何言ってんだこのクソジジイは?

何がイヤホンだよ、馬鹿野郎。
イヤホンなんかグレードの低い音をわざわざ聞いてどうするんだよというのが僕の内心の考えでした。
だいたいイヤホンなんか人に聞かせるのが間違っているという思いもありました。

いい音なんかするわけがないと・・・

ヘッドホンですら音色に満足がいかないのに何がイヤホンだと馬鹿にしていたと言うこともあります。
ましてや今まで散々ろくでもない真空管を売りつけやがって、一体このクソジジイは何を考えているのかと。

なにしろこのクソジジイのオススメで買った真空管が挿してみればノイズまみれとかどうにも納得のいかないことがよくあったものです。

イヤホンの音を聞かせてもらう気など一切無かったので「ああ、そうですか。ありがとうございます」と生返事をしながらプリ管を選んでレジに持っていくと、クソジジイはちょっとそこでまってろと云い、裏に消えていきました。

数分で帰ってくると手には何やら手の平サイズのポータブルアンプとイヤホンを持っています。
送り出しのプレイヤーも何だったのか覚えていませんが、やはりポータブルの何かだったと思います。

今では残念なことですが、イヤホンの機種名もまったく分かりません。
当時は今ほどイヤホンを選べるような時代ではありませんでしたし、イヤホンなど眼中にすらなかったのですが、それでも何かまったく分からなかったというのは僕の迂闊なところだと思います。

ただ言い訳させてもらえばその音の正体は「イヤホン本体うんぬん」ではなかったとは云っておきます。

裏から自分のイヤホンシステムを持ってきたジジイは、もう暖気は済んでいるといい僕にそのシステムを押しつけてきました。

正直、迷惑だなあと思ったのも確かですが、ジジイがここまで押しつけてきたので断るわけにもいかず、僕はいやいやながらイヤホンを耳に嵌めたのでした。

既にクラシックが鳴っていましたが、最初の1音を聞いた瞬間に僕は思いました。

「このクソジジイ、ただもんじゃねぇ」

それは、簡単に聞くことの出来ないそうとうにレベルの高い音色でした。
イヤホンから聞こえてくる音はただのクソジジイが偶然にたどり着いた音ではありません。

とてもではないですが10代20代ではあの音は出すことができません。
こういう優しくまろやかな深い音は価値が分かるまでに本人がそうとうの紆余曲折を得る必要があります。

少なくとも音の経験と言う意味でなら、単なるど素人ではわかるはずのない玄人好みの音でした。

それは甘い真空管の音そのものともいえました。
いや、正確に言うと「並の真空管」アンプの音ですらなかったのです。

僕はメインもサブシステムもスピーカーは真空管に変更してしまいましたが、それは半導体では出せない音のためです。

ヘッドホンも真空管アンプを当時は3つか4つめだと思いますが、幾つかの音は所有して聞いていました。

だからこそ分かるのですが、これは並大抵のレベルの音ではありません。
スピーカーでももちろんヘッドホンならなおさら出るはずのない音です。
それが、イヤホンから出ていたのです。

例えて言うのならかなりの美音で、STAXの持つ音の質感を更に甘く優しくした感じでした。
瞬時に僕はこれはイヤホンではなく、アンプの方だと直感しました。

僕はジジイの方に向き直り、「おやっさん、この音、これ音色が出ていますね」というと、ジジイは「分かる?」といいました。
また続けてこういいました。
「ノイズ、ノイズもよく聞いてみてくれよ」と。

普通、真空管でノイズを取ると音は半導体のようなHI-FI調の音になります。
にもかかわらずノイズがほとんど皆無に近いのにその音は完全に真空管の音色が妖しく出ていました。

それも雑味のない、かなり濃い音色でした。

ありえないことが目の前で起こっていたので、僕は心の底から驚きました。

おやっさん、どうしてこの音色が出るんですか?とクソジジイに聞き返したくらいです。

クソジジイは満足そうな顔をして、よし見せてやると僕にいいました。
そう言うとおもむろに黒い革のケースに収まった手のひらサイズの真空管アンプを引き出すと外側のケースを開け、中身を僕の前に晒しました。

それは、ミニチュア真空管一本を使用したアンプでした。

それが自作だったのか市販だったのか分かりません。
真空管アンプマニアの中には自作する人も大勢るのですが、ポータブルのミニチュア管を使用したアンプを自作するとはあまり聞いたことがありませんでしたが、僕が興味のない分野なので見逃していただけかも分かりません。

ですが、これだけはハッキリしていますが、いまだにイヤホンはもちろんのことヘッドホンですらあの音に近い音すら聞いたことがありません。
単に真空管アンプだからと云って出てくる音ではなかったことは確かなことです。

あの音はロックやジャズを聴くには向く音ではありませんが、音響機器から出てくる音のレベル、その音色の高さとしてはいまデジタル・アナログを問わずに探してみてもおそらくほとんどあり得ないレベルの音でした。

だいたいがヘッドホンアンプといえどもああいう音の機器は未だに見たことがありません。

あの時代にそういう音をイヤホンで出していたクソジジイに出会ったというお話しですが、もしかするとデジタルアンプの時代になって音のレベルは退化したのかも知れません。

いつか、あの音にもう一度出会ってみたい、と切実に思うのです。

lunaluna302.blog.fc2.com



lunaluna302.blog.fc2.com



lunaluna302.blog.fc2.com



>(送料無料)真空管ハイブリッドポータブルヘッドホンアンプ 持ち運べる電池管アンプ 3極プラグ専用 完成品 TU-HP01 イーケイジャパン(4952682106050)

価格:20,520円
(2017/2/12 21:05時点)
感想(0件)



例えばハイブリッドだとこういったものがあります。こういうサイズのものでした。






関連記事

category: 中華イヤホン・中華DAP

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://lunaluna302.blog.fc2.com/tb.php/437-5dff5b0c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最新記事一覧(サムネイル画像付き)

SPONSORED LINK

検索フォーム

amazon link

Category Bar Graph

SPONSORED LINK

プロフィール

amazon link

全記事表示リンク

月別アーカイブ

リンク

最新コメント

タグ一覧

▲ Pagetop