【伊豆の八丁池で道迷い】 登山は体力と想像力だ 



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2019年の4月20日、予てより行きたいと願っていた伊豆の天城山系にある八丁池に向かった。

ちょうど昨年の12月頃からだろうか、オーディオ系で知り合った友人がたまたまこちらのブログも見ていたようで、意気投合したという感じでなし崩しにふたりで山登りを始めた。

僕はと云えばしばらく登山はお休みしていたのだが、「再開した」というのが正しい。

元々僕は筋トレなど大嫌いで、超インドア派な人間である。

山登りも、山に登ると云うよりも、むしろガーミンのGPSをテストがてら山に登っているというほうが正しいような人間ではある。

と云うわけで再開して以降、だいたい月に一度のペースで友人と低山を登っているわけであるが、筋トレなど一切しないので、再開して数回はとにかく身体がキツい。ふくらはぎは痛いわ太股も痛い、なんだか足の関節もピキピキする、それだけでは済まずに身体も全身ダルくて翌日は動くのも一苦労。そんなしょうも無い人間である。

普通はここで「よし筋トレしよう」という事になるのだが、僕はそんなに甘くない。

何が何でもわざわざ別途でメニューを組んで身体を鍛えようなんていう気は微塵も起こらない。

そんな人間なので毎回毎回、山を登りながら息を切らせて思う。

「来なきゃ良かった」

だが、新しい友人が出来て良かった。そういう人が居ないとこのまま登山にも行かなくなるのは僕の性格上、目に見えている。

今回の登山は再開して5回目くらいの筈で、ちょっとずつ距離を伸ばしてきたので、ほんの少し自信がついたくらいだが、当初より伊豆の天城には山の上に大きな池があってそこに行ってみたいと話していたのがやっと実現することになった。

なんかロマンがあるじゃない?山の上にある歩いてしかいけない池。


ここはバスでも途中までいけるのだが、結構難易度が高い。地域にもよるがかなり朝早く家を出ないと厳しい。そこでクルマの出番なのだが、これも早くに家を出ないと厳しい。何しろ現地にクルマで直行してもだいたい3時間はかかる。

事前の計画ではだいたい登りが片道7.2キロ。いつもの感じからすると往復の距離である。それが片道だけ。

これはかつて天皇陛下が歩かれた登り行幸歩道を行く場合で、下り行幸歩道から登るのなら約一キロ程度は行程の距離が少なくるのだが、できれば景色が良さそうな登り行幸歩道を歩いてみたいと切望したので、そうなると事前の検討距離は片道のみで7.2キロという長い距離であった。

さすがにこの距離の登りは厳しい。全行程の時間から考えてもかなりギリギリの計画となる。

そこで帰りは歩いて帰ることを諦め、素直にバスを使うことにする。だがそうなると帰りのバスの時間が決まってしまっているので1番遅い時間で予定しても15時30分にはバス亭に到達していなければならない。この場合、八丁池から整備された林道を約2.5キロ下る予定である。

そもそもこの計画は予定の時点でかなりきつめではあるのが気がかりではあった。

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それが実際にはどうだったのかというと色々あって事前計画よりも更に厳しくなった。

現地の登山口に最速で9時に到着する予定であったが、現着したのは一時間遅れの10時ちょうど。友人の電車の乗り換えミスと道路の渋滞が重なった。コレはもう致し方無い。

元々僕のスタイルは近所の山を寝坊しながら遅めに現地に行って、途中休憩を多め多めにとりながらゴロゴロ寝転がるという超ぐうたらスタイルである。

それが当初の計画ですら9時に出発してほとんど休憩無しで山頂に13時着。池を見ながら食事を取り、寝転がって30分ほど身体を回復させて14時に下山開始。15時前後にはバス亭に着というものであった。

それが一時間遅れるとどうなるか?

つまり休憩時間がゼロであって、八丁池に到達すると同時にそのまま下山するという無謀なものになる。
食事の時間すら無いのである。


登山口に到着した時点で僕は焦っていた。とんでもなく焦っていた。顔には出さないようにしていたが、時間的に間に合わない可能性も考えていた。ただその場合、バスに間に合わないので下山も全行程歩きになる。そうなると日没の時間は問題ないが大幅に伸びる行程距離が心配であった。

行き帰りで15キロは歩くことになる。15キロはヤバい。

途中でバスが通る道路にショートカットするエスケープルートもないのでとにかくバス亭まで何とか時間までに到達しなければならない。

登山ではギリギリの計画など立てるものではない。それは分かっていたが八丁池にはなんとしても行ってみたかった。それが今回の登山計画の失敗であったと同時に、登山は体力である、というごく当たり前の事が大事だということが痛いほど分かることになる。

今回の登山で僕は思い知った。登山とは「体力と想像力のスポーツである」と。

では実際に歩いたと思われるGPSでのトラッキングの距離などはどうだったのかというと、全行程は11.3キロ。内訳は登りが8.2キロで下りが3.1キロであった。

登山口から八丁池までの8.2キロの高低差は732メートル。時間にして4時間ちょうどで13時30分に八丁池に到達できた。平均スピードは登りのみで2キロ/1時間。

僕の通常の登りのペースが1.4キロ/1時間程度なので、どれほど急いでいたのかこの数字からも分かってしまう。休憩もほとんど取れなかった。

この事が何をもたらしたのかと云えば、余裕が何もない登山で、ハイペースで突き進んだため、6キロ程度の地点で足が前に出なくなった。右足の付け根が痛くなってペースがガクンと落ちた。100メートル進むのもツライ状態になってしまった。

結論から述べれば八丁池には到達できた。帰りのバスにも30分ほどの余裕を持って間に合った。そういう意味では登山は成功」した。それは間違いない。

ただ僕個人はまったく納得していない。一歩間違えば厳しいものになっていた可能性もあったのだから。

と云うのも今回は「軽く道迷い」を経験することになり、登山道具もふたつほど壊し、ガスストーブは故障していた。

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まず故障の話からしよう。

ガスストーブだが普段は中華の最軽量ストーブであるBRSの3000Tを持ち込んでいる。もう何年も使っているものだが一度もトラブルを起こしたことはない。風と低温に弱いが何しろ軽い。それがなぜか突然OD缶に差し込むとガスが噴出して使い物にならない。それで友人のストーブを借りたのだが、自宅に帰って確認するとやっぱり壊れている。おそらくガスが漏れることから考えるとパッキン周りの不具合ではないかと思われるのだが、さすがに中華。軽さは世界一だがこれはもう怖くて登山に持ち込めない。買い直すのも辞めた。

春先なのでまだマシだが、冬なら下手するとヤバいので笑い事ではない。

今後は前日に点火チェックすると同時に手持ちのプリムスのP114に変更することにした。

当ブログでも紹介したがBRSのストーブは登山での使用を中止するべきだと思う。ある日突然点火しなくなるのは怖すぎる。

次に「壊した」件だ。

まず食事に使うGSIのテレスコピックスプーンをバキッと折ってしまった。次に軽量のアルミシートをビリッと裂いてしまった。

どちらも理由は明白で、疲労困憊していたので思考能力が落ち、力加減を間違えた。日常なら考えられないが、こういう事をやってしまう。いつもの山行で何かを無くすとか何かを間違って壊すなどほとんど無かったので一日にふたつ壊すのは嫌な気持ちになる。

ちなみにGSIのスプーンはスライド式のスプーン部分は普通なら加減を間違えても柄の部分から外れてくれるだけなのだが、この時予想以上に力を入れてしまったので外れるのではなく、折れた。

これなど体力に余裕があり、気持ちにも余裕があれば起こらなかったと言える。

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道迷いしたポイントはココ。崖下の左側に沢が見えワサビ畑が見えてくる。

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それからコレが最も大事なところだが、今回は危険な道迷いをしてしまった。

この八丁池までの登り行幸歩道はかつて天皇陛下が歩かれた道だ。当時からかなりの年月が経っているので道がかなり荒れている。

尾根筋の道は所々広くて道がわかりにくく、また崖崩れのような場所も多い。急斜面をトラバースする40㎝ほどの道幅の箇所も所々にあったりする。

登りの中途で左側に小さな沢の流れが見えてくると、ちょうど崖下に「なぜこんな山奥にワサビ畑が?」と疑問に思う場所がある。そこではまっすぐにかなり広い尾根路を登っていくのだが、辺り一面道らしい道は無くそこ一面が踏み固められている。

何の疑問もなく尾根筋を一番上まで息を切らせて登っていったのだが、これが間違いであった。

ちょっとした休憩後に友人が僕に聞いてきた。「コレ、道はどこ続いています?」「ほら、そっち。左に道が続いてるじゃん」「ああ、あれですか」

確かにハッキリと道があるのが見える。

そこをドンドンと先に進んでいくのだが、ドンドンと道が細くなる。百メートルほど進むと急斜面を横切る形になるのだが、その道が10㎝程度しかなく、真下は崖である。「ここ気をつけろ」と後ろに声をかけながら進むのだが、ふと前を見ると崖の途中で道が消えている。

おかしいと思った。立ち止まってふたりでスマホのGPSを確認すると明らかに登山道から外れている。

慌てて引き返すと、本来は広い尾根筋の道の中程で左側に寄っていく必要があった。ここからしっかりとした手摺りが続いているのだがその道に沿って今度はワサビ畑に下っていくことになる。

完全に見落としていた。

実はいくつか前触れはあった。ひとりの登山者がワサビ畑を下から上がってきていたのだが、遙か下の方だったので疑問に思ったのだ。また、登山道になっている立派な手摺りにも気がついていた。ところが遠目だったので土砂崩れ防止の構造物か何かかと勘違いしていた。

ちなみにforetrexのルート表示はこのあたりではまだ本来のルートと平行に走っているので、これくらいの範囲では誤差なので見過ごしてしまう。

登山者が僕たちと全く違う位置を歩いているときにスマホで確認すべきだった。手摺りが遠くてなんだか分からなかったときに手持ちの単眼鏡で確認していれば登山道に気がついたかも知れない。

僕たちはあまりにも急いでいた。

その焦りが生んだ道迷いであろうと思うのだが、それにしても危なかった。あのとき急斜面のわずかな幅の道と云うよりも単なる「踏み跡」で足を踏み外していたら死んでいたかも知れない。

ひとつ云えることは、完全な踏み跡が道のようになって続いていたので、あそこでは僕たちと同じようにそのまま尾根筋をまっすぐに登っていってしまう人がかなり多いのであろうと思う。そして僕たちと同じように進むだけ進んでからふと気がつく。

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結局、登山とは事前の準備と計画はもちろんだが、どのように念入りに調べても完全には分からないのである。

だからこそ、実際に現地でコレがなくなったらどうなるかとか、こんな事態が起こったらどういう危険にさらされるかとか、想像力をフルに働かせることと、注意力が散漫になる事は、体力でカバーできる部分が大きく、疲労困憊しなければものを壊したり道迷いしたりという危険を大幅に回避できるのだという事だ。

それが例えすべてではなくとも、ある一面の大きな真実なんだろうと思う



この本は登山と云うよりも軽いジオパークトレッキングの本。伊豆は火山が作り出した複雑な地形を持つが、散歩がてらに歩くのも云よい。



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